コラム

【小規模事業者持続化補助金】業界最速で申請内容を解説

こんにちは。

本日は小規模事業者持続化補助金について紹介します。

補助金について興味を持たれた方の中には、名称を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。この補助金事業は2020年3月にスタートし、2024年5月に第16回受付となっています。

長く公募のある補助金ですが、時勢に応じて内容が変化しています。

実際に申請を検討される際には、公募要領をご確認いただければと思いますが、最初の情報収集として、ぜひこの記事をご活用ください。

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者は昨今多くの制度の変更への対応が求められています。

特にインボイス制度の導入や働き方改革といった業種業態を問わない制度変更は、大きな影響をもたらしています。

小規模事業者持続化補助金は、このような事業環境の中で、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、地道な販路拡大や業務効率化といった取り組みを支援しています。

現在発表されている補助金の中では、補助上限額はそれほど大きくはないものの、幅広い取り組みへの支援が魅力といえるでしょう。

この補助金事業を通じて企業の生産性の向上や持続的な発展だけでなく、雇用や産業を支えていくことが目的とされています。

資本金による要件

資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていないことが要件です。

なおこの要件は法人のみが該当します。

課税所得の要件

直近の過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていない ことが要件となります。

また上記3点とは別に、過去に小規模事業者持続化補助金の採択を受けた事業者は別途条件が追加となる場合があります。

具体的な条件については応募を検討しているタイミングの公募要領をご確認ください。

地域によって申請対象が異なる?

小規模事業者持続化補助金の特徴の1つとして、地域によって対象が異なる点があります。

商工会の管轄地域で事業を営む事業者と商工会議所の管轄区域で事業を営む事業者で申請方法等が異なるということを表しています。

申請を検討している事業所が商工会のある地域か商工会議所のある地域、どちらに属しているかを事前に調べておくほうが、申請がスムーズかと思います。

もちろん地域によって全く申請できないということはありませんので、ご安心くださいね。

補助対象者

小規模事業者持続化補助金は、まず小規模事業者に該当する法人、個人事業、特定非営利活動法人であることが要件です。

具体的には以下の3点の要件を満たしている必要がありますので確認してみましょう。

常時使用する従業員の人数による要件
業種によって異なりますが、従業員の人数による要件があります。
この常時使用する従業員には会社役員や個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者は含みません。

補助額、補助率等

小規模事業者持続化補助金には、枠という考え方があります。

この申請する枠によって、補助の対象となる事業者さまや、補助額が異なってきます。

補助率は一律2/3となっており、補助額は各枠事に異なります。

今回は、すべての枠を詳しくお伝えしていきますので、ご自身に適した、申請枠を探していきましょう。

通常枠

小規模事業者持続化補助金でメインとなる枠は通常枠です。

こちらの枠は、補助上限が50万円と、他の申請枠と比べて小さめではありますが、申請要件等の制約がなく、非常に申請のしやすい枠となっています。

初めて補助金を活用してみる事業者さまにおすすめとなっています。

賃金引上げ枠

補助事業実施期間に事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+50円以上とした事業者が該当する枠です。

補助上限額が200万円に、業績が赤字の場合には補助率も3/4に引き上がります。

すでに事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+50円以上となっている場合には、現在支給している事業場内最低賃金より+50円とする必要があるのでご注意ください。

仮に補助事業実施期間内に、目標を達成出来なかった場合、交付決定後でも補助金の支給が取り消しとなりますので注意が必要です。

卒業枠

事業規模拡大に意欲的な小規模事業者に対し、補助事業実施期間中に常時使用する従業員を増やし、小規模事業者として定義する従業員の枠を超え事業規模を拡大することで、補助額が200万円となります。

小規模事業者の定義する人数に、近い従業員数を抱える事業者さまであれば、比較的申請がしやすいと考えられます。

後継者支援枠

将来的に事業承継を行う予定があり、新たな取組を行う後継者候補として、「アトツギ甲子園」のファイナリスト等になった事業者を対象になります。

こちらも、該当する事業者さまであれば補助額を200万円まで引き上げることが可能となります。

各事業者さまで確認してみて下さい。

創業枠

最後に、創業枠は「特定創業支援等事業」に認定されている事業者さまが対象となります。

仮に、上記に認定されている場合、補助額は200万円まで引き上がります。

こちらは、すぐに取得でいるものではないため、もし取得されているようであれば、ぜひご活用下さい。

「特定創業支援等事業」は融資の利率が下がったり、他の補助金でも優遇がある場合があります。
取得資格のある事業者さまはぜひ、取得を目指してみて下さい。

インボイス特例について

免税事業者が適格請求書発行事業者に転換することでの事業環境の変化に対しての政策支援として設けられた特例です。

  • 2021 年 9 月 30 日から 2023 年 9 月 30 日の属する課税期間で1度でも免税事業者であ ったか免税事業者であることが見込まれる事業者
  • 2023 年 10 月 1 日以降に創業した事業者

のどちらかに該当していて、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者が対象となります。

補助上限額を一律50万円上乗せされます。

実際の補助額の例

たとえば通常枠でインボイス特例が適用となる事業者が、補助対象経費を120万円にて交付決定された場合、補助率は2/3となりますので、80万円の支援を受けられる計算です。

賃金引上げ枠でインボイス特例にも該当している赤字事業者の場合で500万円の補助対象経費が見込まれる場合、補助率が3/4となるので500万円×3/4=375万円となりますが、補助上限が200万円(賃金引上げ枠)+50万円(インボイス特例)となることから、250万円の支援を受けられるという計算になります。

補助対象経費

補助対象経費は多岐にわたります。

広報費といった販路開拓の根幹となる投資はもちろんのこと、WEBサイト関連費や新商品開発費といった、事業運営に必要な費用など、幅広い経費が補助対象となります。

汎用性が高い自動車やオートバイ、自転車、文房具、パソコン等は、目的外にも使うことができてしまうため補助の対象になりません。

他にも税込100万円を超える支払や中古品の場合には、2社以上の見積りが必要となる点、現金支払の場合は補助対象とならない点にも気を付けましょう。

・WEBサイト関連費は補助金総額の1/4(最大50 万円)を上限とします。

・ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。

申請スケジュール

2024年5月現在で受け付けている公募は、2024年5月27日(月)が締切となっています。

電子申請の受付のみとなること、GビズIDの取得が必要となることから、早めのご準備を検討することをおすすめします。

また商工会の管轄地域、商工会議所の管轄地域とも「様式4 事業支援計画書」という書類が申請には必要です。

こちらは商工会や商工会議所が記載する書類で、発行受付締切が2024年5月20日(月)となっています。

スケジュールには余裕をもって取り組むようにしましょう。

さらに採択された後のスケジュールも気にかけておいたほうがいいでしょう。事業実施期間は交付決定の予定されている2024年8月頃から実施期限である11月4日(月)までとなります。

この期間に支払や納品を含めた補助事業が完了していないと、補助金の支払の対象となりません。

クレジットカード支払で、引落しが事業実施期間を超えてしまう場合にも支払い対象とならなくなります。

まとめ

いかがでしょうか。今日は小規模事業者持続化補助金について紹介しました。

企業の販路拡大や業務効率化という幅広い観点での取り組みへの支援であるこの補助金は、利用を検討できる事業者の方も多いように感じます。

もし申請を検討される際には、しっかりと公募要領をご確認いただきながら、申請様式を作成していく必要があるといえます。

また商工会や商工会議所による様式4の作成が必要となる点からもわかるように、商工会や商工会議所との連携を必要とする点もこの補助金の大きな特徴です。

早めのスケジューリングで丁寧に進めることが採択への近道となるかと思います。

ご参考になれば幸いです。