コラム

特別な体験の提供を!インバウンド消費の拡大を目指せ!

▼この記事を読んで分かること
☑インバウンド安全・安心対策推進事業の概要
☑インバウンド安全・安心対策推進事業における採択の要点

特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業とは?

本事業の目的

この事業は、地方公共団体や観光地域づくり法人(DMO)、そして民間事業者が協力し、日本が誇る豊かな観光資源を活かした特別な体験コンテンツを生み出すことを目指しています。

その中で、自然、文化、食、スポーツなど、多岐にわたる観光資源を活かし、従来の観光地ではあまり見られない早朝や夜間、未公開のエリアなどを舞台に、新たな体験を提供します。

この取り組みにおける補助金の特徴は、体験コンテンツの創出だけでなく、販路開拓にも焦点を当てている点です。

従来の補助金とは異なり、設備購入だけでなく、広告宣伝費や人件費なども補助対象となります。

これにより、地域の魅力を世界に発信するための販売ルートの確立や、地域経済の活性化にも貢献することが期待されています。

このような取り組みは、地域の観光資源を活かし、地域の魅力を最大限に引き出すことで、地域全体の活性化につながる効果が期待されます。

補助事業者及び補助内容

対象事業者

本補助金には類型という考え方があります。この類型により、補助額や補助率、さらに対象となる事業者様が異なるため、ご自身に適した、類型を探していきましょう。

この記事を読んでいる皆さんは、②高付加価値化支援事業に該当する事業者様が多いと思います。ですので、今回は②高付加価値化支援事業について詳しく説明します。

②高付加価値化支援事業では、単価が一般に流通している商品と比べ、3倍以上の価値がつく取組を行わなければなりません。

おそらく、単価を3倍にすると聞いて、イメージが沸かない方もいると思いますので、以下に例を上げますので、参考にしてみてください。

採択事例

従来の事業:植物園

普段は、国内有数の観光地にて植物園を経営しており、その土地固有の植物を展示していることも有り、多くの観光客が来園していました。

補助金活用による事業

インバウンド需要も増え、今こそ事業を更に成長させるチャンスと見込み、ナイトツアーを検討しました。

実際に、夜間にしか咲かない花などの展示も可能となり、多くの観光客で賑わいました。

さらに非日常体験ということもあり、日中の入場料よりも高い料金設定を行いましたが、予想を上回る来場者数により、収益は大幅に増加しました

補助額

今回の補助金は、補助率と補助額が変動するタイプとなっており、少しわかりにくい仕様となっていますので、②高付加価値化支援事業を例にご説明します。

本補助金は補助率が1,000万円までは定額となっており、1,000万円~3,000万円までの経費は1/2が補助され、補助上限額が2,000万円と設定されています

例えば、2,000万円の投資を行った場合、1,000万円までは全てが支給され、残りの投資については半分支給されるので500万円支給されます。つまり、500万円で2,000万円分の投資を行えることになります

最低事業費が1,500万円と決められており、最低でも250万円を自己負担する必要があるので注意しましょう。

補助対象経費

補助対象経費は多岐にわたります。以下の図が補助対象・対象外の大まかな経費一覧となっており、設備導入費といった事業の根幹となる投資はもちろんのこと、人件費やプロモーション費といった事業運営に必要な費用など、幅広い経費が補助対象となります。

例えば、体験コンテンツ・イベント等の造成に係る経費では、人件費などが対象となるため、事業投資を行う上での支出を大幅に抑えることができます。

人件費、旅費を補助対象とする補助金は本当に少ないため、この補助金はとてもおすすめです。事業の高付加価値化を考えている方は、ご活用されてみてはいかがでしょうか。

申請手続き

申請書類の受付期間

受付期間:令和6年3月 27 日(水)~令和6年4月 26 日(金)12:00

2024年5月
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申請受付期間は、約1ヶ月と他の補助金に比べて短いです。そのため、遅くとも1週間前には、申請を行うかの判断をしておいたほうがよいでしょう。

提出書類

申請書類は複数あります。申請時に慌てないためにも、事前に確認しておきましょう。

申請書類は以下となります。事前に事務局より、配布されているEXCELテンプレートがあり項目を埋めていくのみです。

そのため事業再構築補助金のように、様々な書類を提出する必要ないです。締切は近いですが、焦らず準備を進めていきましょう。

・事業計画書
・支出計画書
・事業実施スケジュール
・事業概要
・国、地方公共団体等の同意書

申請スケジュール

上の表は、申請のスケジュールとなっています。補助金はすぐに支給されるお金ではないため、申請後に慌てないためにも、実際に支給されるのは年明け(2025年)だという認識を持っておきましょう。

※2024年4月15日時点での情報となります。正確な情報につきましては、公式ホームページをご確認ください。

採択のPOINT

今回の補助金は、申請書類の型が決まっているため、事業計画書における文章の表現で差がつきにくい申請です。

そのため、この補助金が、「なぜ」募集されたのかをしっかりと理解し、要件にあった内容で申請することがポイントとなってきます。

以下に、申請におけるポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

・インバウンド消費拡大効果(人数・消費額)
・インバウンド消費の質の向上(地域の自然・伝統文化活用、食の地産地消、地域人材の所得向上に資する工夫等を通じ地域経済循環に資するもの、持続可能な観光へ寄与するもの等)
・特別性・新規性
・海外販路拡大の具体性
・事業の将来性(条例・規制等の改正や柔軟な運用等、特徴的なナレッジが収集できるコンテンツであること)

ポイントとしては、国内の観光資源を活かして、どれだけ外国人旅行者に対して、バリューを生み出せるのかが、重要となってきます。

また、上記のバリューを数字で表すことが出来ると、採択はグッと近づく可能性が高まりますので、申請をご検討の方は、数値でバリューを算出してみるのも一考かもしれません。

まとめ

・観光地における新たな価値体験創出に活用できる
・1,000万円までなら全額補助
・人件費やプロモーション費に活用できる

今回は観光地における、新たな価値創出を目指す事業者の皆さまに、特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業の、概要や採択の要点を紹介しました。

煩雑さ等が原因で、補助金を利用することにためらっている事業者様もいるかもしれませんが、今回の補助金は人件費やプロモーション費等、幅広い経費が補助対象となるため、非常に使い勝手が良いといえます。

この補助金を活用して、観光地における、事業の成長に向けて一歩踏み出してみましょう。