製造業
株式会社グローバル・パートナーズ
製造業
株式会社グローバル・パートナーズ
代表取締役 小林 裕明 様
事業:パン製造・販売
創業:2006年7月(HIRO BAKERYのオープンは2023年7月)
補助金事業再構築補助金
当社は、システムの受託開発をメイン事業としてやってきた17期目の会社です。創業当初は、ホームページ制作のビジネスからスタートして、少しずつシステム開発にシフトしてきました。
これまでは大型のシステム開発案件が受注でき、おかげさまで長く会社をやって来れました。しかしながら、コロナ禍になって状況が一変。システム開発案件が取れなくなったのです。IT業界全体の沈み込みも背景にあったかと思いますが、私はどちらかというと営業畑。実際にお客さんと会えなくなったのが大きな要因でしたね。
コロナ禍以前の私の営業スタイルは、雑談も交えつつ、お客さんのお人柄や背景を汲み取りながら、コミュニケーションをして成約いただくものでした。オンライン営業もやってみましたが、なかなか自分には合わず、だんだんと案件が取れなくなってきたのです。
もうひとつ背景としてあったのは、業界のシステム開発のやり方が変わってきたということですね。昔は「法人にシステム開発を依頼する」というのが普通のやり方でしたが、今はフリーランスの方や、フリーランスの方たちがチームになってシステムを作るという形態が増えてきました。
こういった変化を受けて、「システム開発会社のまま事業を続けていくのはこの先中々しんどいだろうな」と感じていたんです。それが新規事業に取り組む前の当社の状況ですね。
システム開発の事業に手詰まり感を抱えていた頃、家でテレビを見ていると「ド素人がパン屋さんを開業するまで」の
ドキュメンタリー番組をやっていたんです。その番組を見て、突き動かされるような気持ちになりました。
一口にパンづくりと言っても、その工程はすごく多いのです。生地のこね方や発酵のプロセス、成形技術、オーブンの温度や焼き時間、湿度などが焼き上がりに大きな影響を与えます。普段、自分が何気なく食べていたパンがこんなに多くの工程や工夫を経て、お店に出されていることを知って感銘を受けました。地元の特産物や伝統的な食材を活かしたパンづくりにも心を惹かれましたね。
そこで私はすぐにそのテレビに出ていたパン屋さんに電話をして、「パン作りを教えてほしい!」と直談判(笑)
すると、そこのパン職人であるオーナーさんに聞かれたんです。
「システム開発会社がどうして、いきなりパン屋さんになろうと思ったの?」って。
私は、今年60歳になります。今までシステム開発会社を20年やってきて、取引先はすべて法人でした。一方で、「何か自分の住んでいる地域に密着して貢献したい」そういう思いを漠然と持ち続けていました。
私の住んでいる地域は、年配の方も多く、健康に気を遣っている方も多いです。パンというと高カロリーで、かつ日持ちさせるための添加物を使っていることも多い。でも、健康でおいしいパンを食べて幸せを感じてもらいたい。そこで、添加物を使わない国産小麦にこだわったパンで地域に貢献したいという想いが芽生えたのです。
すぐにそのパン職人さんに弟子入りして、約1年間修行をしました。パン職人のAさんは、私が開業する前に何度も立地や物件を一緒に見に行ってくれるなど、とても親身になってサポートしてくださいました。とても感謝しています。
私は、人生長くやってきて大概のことは経験もしてきたし、パン屋さんも私がやれば楽勝だと思っていた節がありました。でも、完全にナメてましたね。
いざ、店で出す量のパンをひとりで作ったときは、「もうオープンできないかもしれない。」と思うほど大変でした。
まず、機械で小麦粉、水、イースト、塩を混ぜ、生地をこねます。そして、こねた生地を暖かい場所で一定の時間発酵させます。この段階で生地が膨らみ、イーストが発酵していきます。生地を取り出し、形成していきます。バゲット、ロール、ブーケなど、様々な形がありますね。成形した生地を再び発酵させます。
その日の気温や湿度で微妙に焼き上がりが異なってくるので、オーブンでの工程は微細な調整が必要になってきます。
こんな工程をひとりでやっているので、とても大変でした。慣れるまでには半年ほどかかりましたかね。
開店資金を準備しているときに、パン職人のAさんから「事業再構築補助金」のことを教えてもらいました。自分で「事業再構築補助金」のことを調べているときに補助金申請支援サービスを知ったんです。
いくつか補助金申請支援業者に連絡を取って、話してみることにしました。3社ほどにお声がけしたと思います。その中で、GMCさんは一番レスポンスが良くて、「事業再構築補助金」についてわかりやすく説明してくださいました。
私も、これまでにシステム開発事業でたくさんの会社と関わってきた中で、仕事そのものの技術力や正確性も重視しますが、やはり一番大切なのはスムーズなコミュニケーションかと思っています。その点でGMCさんはすごく良かった。だからGMCさんにお願いすることにしました。
当店は11時にオープンして、30分後には売り切れてしまう商品があるほど、地域のお客さんに愛されるパン屋さんになることが出来ました。
手前味噌にはなってしまうのですが、通常、パンは海外の小麦で作られることが多いなか、当店は、国産小麦100パーセントの生地でパンを提供しています。コストの問題だけではなく、技術的に国産小麦でパンを作るのは、パン業界では難しいとされています。
また、無添加にもこだわっています。通常、パンは日持ちがするように防腐剤が入っていたり、膨らませる為の材料が入っていたりするのですが、当店では使用しておりません。
お店のコンセプトを表現した内装や陳列にもこだわっていますね。
ほか、今後の多店舗展開はあまり考えていません。それよりも、新たな商品を作ったり、商品の改良を行うなどの取り組みをしていきたいですね。例えば、トレンドの食べ物とのコラボレーションやお客さんからのリクエストに応えるなど。開発した商品は、店頭で試食会を行うなど、風味や食感、形成にもこだわり、独自の商品を生み出したいと思います。
これからも、一つひとつのパンに想いを込めて、作っていきたいと思います。
今回GMCさんと一緒に、補助金申請を進めてみて感じたのは、業種にかかわらず自力で申請して、補助金を勝ち取るのはかなり難しいだろうなということです。
まず100ページ以上にもわたる公募要領を正確に理解するのは、もう受験勉強みたいなものです。(笑)そして、テスト問題(事業計画書)に挑んだとしても、それはすべて自由回答形式になっていて、自由回答だからこその難しさがある。ポイントを押さえた回答が、素人には相当難しいと思います。
専門家にお願いすれば、この苦労をほぼすべてクリアできる。手数料を払う価値が十分あったと思います。
今回、補助金で降りたお金で、厨房機器や内装工事をすることができました。これらは、売上を左右するとても大切な要素です。その部分に妥協することなく投資できたのは、やはり補助金のおかげですね。
スタートアップ時にこそ、十分な投資を行うことで事業を早く軌道に乗せられることもあります。新規事業をお考えの会社さんは、「難しそう、ややこしそう」と躊躇するのではなく、ぜひ一度GMCさんに相談してみてほしいと思います!